パニック障害と身体の変化

こんにちは、始めまして。
私は、若い頃に東京で勤務していた時に、満員電車で通勤中に「パニック発作」を起こしました。
1980年代のあの当時、勤めていた会社の保健婦さんも病名を知らない程のマイナーな病気でして、保健婦さんの指導で行った大学病院で初めてこの病名を知りました。
しかし現代は、テレビに出ている俳優やスポーツ選手が、カミングアウトするほど名の知れた病気になっています。一体どの様な病気でしょう?

「パニック障害」とは?

心臓や血管には異常は無いのに、急に心臓がバクバクしだして、吐き気や目まいを伴った息苦しさに襲われます。
特に、乗り物に乗っている時にこの症状を起こすので、直ぐに降りたいのに降りられないと言う状況でパニックになります。
一度これを経験すると「また、起きるのじゃないか?」と言う不安から、乗り物に乗るのが怖くなり乗れなくなってしまいます。
私がこのパニック発作を初めて起こしたのが、新卒で入社した会社の東京事務所勤務時代の1987年(昭和62年)で、寮から事務所に向かうために電車に乗っていた時の事です。

何故このような発作が起きるのかは、現代においても完全には解明されていません。
ただ、人間の脳は危険を察知すると、警告を発する情報を脳に送ります。
パニック発作は、この警告システムが誤作動して、実際には起きていない危険に対して恐怖心が脳に伝達され、誤って興奮状態になる事で発作が起きるのでは?と言う説が有力です。
真面目で責任感が強い人がストレスを溜め込むと、発作を起こし易いそうです。

電車に乗れないを、自分で克服した

厚生労働省の調査によると、1996年(平成8年)は約3000人ほどだったパニック発作での受診者数が、20年経った2017年(平成29年)には8万3000人に増えています。

これは、日本でもパニック発作と言う病気の認知度が上がり、専門の病院も増えて病院を受診した人が増えたからだと思います。
私は、現在も予防の為に病院で抗不安薬を処方してもらっていますが、パニック発作の治療法とは知らずに「認知行動療法」と言う療法を自分で行って、乗り物に乗る恐怖を自分で克服しました。

最初は、家の最寄り駅から各駅停車の電車で隣の駅までの1駅だけ何回も乗って、電車に乗れる自信を着けます。
そして次は2駅乗ってみて、大丈夫なのを確認しながら1駅ずつ乗る距離を増やして行きます。
私は6年かけてこの「認知行動療法」を行い、今では急行電車にも乗れるまで回復しました。

発作の副症状を見逃さないで

パニック発作を起こしたら、副症状として「めまいや耳鳴り」と言った症状が出る事が多いです。
発作が治まれば自然と無くなりますが、もし続く様でしたら気をつけて下さい。
特に耳鳴りが治まらない様なら、耳鼻科に行って先生に経緯を話し相談する事を、お勧めします。

私はこの耳鳴りを放置した為に、電車は乗れる様になったものの、徐々に聴力が落ちて行き補聴器を着けないと人との会話が出来なくなくなるまでになってしまいました。
今では5年前に障害者手帳が交付されるまで聴力が落ちてしまい、入浴時や睡眠時など補聴器を外している時は、ほとんど音が聞こえないです。

家族や職場に配慮してもらいたい事

急行電車に乗って通勤したり買い物に行ける様になりましたが、それは私1人で乗っているからで、気分が悪くなったら、目的地じゃ無い駅でも1人だから気兼ねなく「さっ」と途中下車出来ると言う安心感からです。

去年4月より在宅勤務メインになり電車に乗る機会が少なくなったので、勤務開始前の朝の散歩時に数日置きですが、特に用事は無いけれど電車に乗ってみて乗車感覚を鈍らせない様にしています。
私の病気を知っている母は「電車賃がもったいないけど、乗る訓練ね」と言ってくれますが、病気を良く理解していない父は「あそこ行こう」とか「ここ行こう」と突然言い出しますので、困惑する母と私自身は「同乗者が居る」と言う不安はあるものの、今のところ発作も起こさず何とか電車に乗れています。

現在の作業所での通所日には、車に乗って別の作業所の応援と言うのがありますが、職場の職員さんも車を運転しながら「気分が悪くなったらいつでも言ってね」と気遣ってくれています。
作業所の最終目的は一般就労ですが、もし一般企業に就職して「コレコレこう言う状態ですので、勤務では配慮をお願いします」と言って配慮してもらえるかが分からないのが、一般就労をためらっている理由の1つです

終わりに

最初に書いた様に、ストレスフルな状態で過ごし身体が疲れている時に、パニック発作は起きやすくなります。
私が初めてパニック発作を起こしたあの当時、毎日日付が変わった深夜に会社を退社すると言う様なハードな働き方をしており、かなり疲れた状態でした。
俳優やスポーツ選手がこの病気に罹る方が多いのも、疲れが溜まっている時に乗り物に乗っての移動などが有るからでしょう。
私は医師から「あなたは、それが治療法と知らないのに、自分で認知行動療法をやったんだ?凄いな!」と言われるまで、知らずにパニック発作の治療法の1つである「認知行動療法」を自ら行い電車に乗れるまで回復しました。
ただ、折角乗り物に乗れる様になったのに、副症状の耳鳴りを放置してしまった事で難聴になってしまった事は、今でも後悔しています。
難聴については次回、語って見たいと思います。 
文責

金次郎 様よりコラム寄稿

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